昨年の春、香港で公開され、地元の女性たちの熱い支持でメガヒットを放った『私の胸の思い出（原題：天性一對）』は、乳がんに冒されたＯＬをテーマにした作品です。主人公のミリアム・ヨンがやり手の独身キャリアウーマンから、一転して病気が発覚し、乳房を摘出しなければならなくなった悲しい女性の心情を熱演しています。
この作品が香港で話題になった理由は、香港でも日本と同様に乳がん患者が急増しており、女性たちの早期検査の意識が高くなっているからです。
映画の内容は絶望を克服し病気に立ち向かう主人公の姿を、涙と笑いで描いた心温まるヒューマンドラマで、生きることの素晴らしさを感じさせてくれます。
主演は好感度抜群の香港のトップスター、ミリアム・ヨンとリッチー・レン。自らの体験を綴った女流作家・西西の小説「哀悼乳房」を『ラヴソング』で知られる女性脚本家アイヴィ・ホーが脚色。硬派な男性映画を数多く送り出しているジョニー・トー監督がプロデュースした意外性も話題になりました。トー監督作品でフィルム・エディターを務めているロー・ウィンチョウの初監督作品です。